LED ZEPPELIN / LISTEN TO THIS EDDIE definitive edition 【6CD】

LED ZEPPELIN / LISTEN TO THIS EDDIE definitive edition 【6CD】

販売価格: 8,000(税込)

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商品詳細

デビュー以来、毎年ツアーを重ねてきたツェッペリンであったが、1974年にプラントの喉の手術のため休養したのに続き、1976年はプラントの自動車事故による骨折で、やはりツアーを行なうことはなかった。 よって、二年ぶりとなる1977年のツアーというのは、まさにツェッペリン復活をかけた一大イベントであった。そして結果的にこれがアメリカにおけるツェッペリンの最後のツアーとなった。本国英国よりも先にツェッペリンを高く評価したアメリカのファンの前でコンサートをするのは、このツアーが最後の雄姿となるのである。



1977年北米ツアーは4月、5月と6月、そして7月と、間に2度の休養期間を挟み、三つのパートにわけて行なわれた長大なものであった。しかしサード・レグである7月のツアー中にプラントの息子が病で死去し、わずか4公演で中断、バンドは無期休養期間に入ることになる。 よって当初の予定より日程は削減され、全51公演が予定されていた内の44公演を消化した時点で全日程を終えることになる。しかしそのようなトラブルを他所に、久しぶりの全米ツアー、しかもツェッペリンにとってかつてない最大規模のツアーとあって、ファンには熱狂的に受け入れられた模様である。このツアーは硬質でハードなアルバム『プレゼンス』に伴うツアーであり、同アルバムの曲を初披露することもあって、ツアーに向けてのリハーサルは年初から2か月に渡って念入りに行なわれた。そして1977年4月1日ダラスから、いよいよツアーが開幕したのである。



【LOS ANAGELES 6連続公演】
1977年のツアーにおいてMSGとここLAにおいて大規模な連続公演が行われた。特にファースト・レグ最終地であるロサンゼルスにおける6連続公演は、このツアーのハイライトと言っても過言ではなく、いずれもそれぞれ表情が異なる名演が繰り広げられた。 初日が『LISTEN TO THIS EDDIE』なら、三日目が『FOR BADGEHOLDERS ONLY』と言った具合に、この日ならこのタイトルという名盤が数多く同タイトルで存在する。6月25日や6月27日も高音質なオーディエンス音源が残っており、いずれも名演奏との誉れが高い。日程は以下の通り。



1977年6月21日 『LISTEN TO THIS EDDIE』(Wendy) 本作

1977年6月22日 『BACK TO THE LA FORUM』(Wendy)
1977年6月23日 『FOR BADGEHOLDERS ONLY』(Wendy)
1977年6月25日 『SUNSET BOULVARD』(Wendy)
1977年6月26日
1977年6月27日 『FULL IMPERIAL COLLAPSE』(Wendy)



このロサンゼルス連続公演の直前のコンサートは1977年6月19日サンディエゴである。これもまた、Wendyレーベルから『SAN DIEGO MYSTERY TRAIN』というタイトルでリリースされている。タイトル通り「Mystery Train」を余興で演奏している興味深い日ではあるのだが、コンサート全体を覆う足を引きずるような鈍重な演奏は、精彩を欠くという言葉の範疇に収まらない程の出来の悪いものであった。その原因は間違いなくボンゾにあった。「The Song Remains The Same」のイントロからどこか体調が思わしくないような感じで、冒頭でドラムスが返ってこないなど、これほど不調な演奏も珍しいというものであった。おそらくコンサート後、ボンゾは他のメンバーから責められたに違いない。「何やってんだよボケ!」「ちゃんとやらんかいワレ!」「ヤル気あんのかコラ!」と言われたかどうかは知らないが、猛省を要するモタついた演奏であったことは確かである。この日の演奏の不甲斐なさにボンゾは奮起したに違いない。自分の実力とは程遠い演奏をしてしまった、次のコンサートでは張り切ってやるしかない。もしかしたら「疲労がポン」となくなる薬を打ったのかもしれない。そうして運命の1977年6月21日ロサンゼルス初日、後に『LISTEN TO THIS EDDIE』として後世に残る名演を生んだ日を迎えるのである。



ツェッペリンのコレクターズ・アイテムとして『LIVE ON BLUEBERRY HILL』『DESTROYER』と並んで有名なのが、この『LISTEN TO THIS EDDIE』であろう。タイトルと内容が同一として認知されている典型的な例でもある。タイトルの由来は、ジミーペイジを評価していなかったエディ・ヴァン・ヘイレンに対して、これを聴いても同じことが言えるのかというメッセージであると言われているが、真偽のほどは定かではない。しかしここで聴くことの出来るパフォーマンスは常軌を逸したツェッペリン史上でもナンバー1を争う出来であることは間違いない。それはジミーペイジ自身も認識しており、『LED ZEPPELIN DVD』において、オーディエンス録音でありながらメニュー画面のBGMとして使用されているくらいである。どのような形であれ、この時の演奏が公式に世間のファンの知るところとなったのは喜ばしいことである。

前述のように、サンディエゴ公演で醜態を見せたボンゾは、一転この日は神がかり的なパフォーマンスを披露している。特にサンプル音源でも聴くことが出来るオープニング・ナンバー「The Song Remains The Same」から既にガン決まりになっているボンゾには驚くばかりである。なにせ同じ小節の間に普段の倍は叩いているドラミングは圧巻の一言。この日を有名にしているのは、まさにこのオープニングに尽きる。気合やノリといったものを超越したパワフルな演奏は、ボンゾ一世一代の名演であろう。



もちろんボンゾだけではない。ドラムスと呼応する踊るようなベース・ラインを奏でるジョン・ポール・ジョーンズ。長大な「No Quarter」におけるキーボード・プレイの美しさは、濃厚な曲の世界観を見事に再現していると言えよう。プラントも楽器群に負けじと必死に歌っているのが伝わってくる。声には張りと艶があり、時折入れる合いの手が精神的な余裕すら感じられる堂々とした歌唱である。そして音だけからは伺い知れないが、ステージ上をオーバーアクションで飛び跳ねて演奏しているジミーが目に浮かぶような凄まじいギター・プレイ。「Sick Again」のイントロでは早くも弦を切ってしまいくらいの気合の入れよう。ミストーンが散見されるものの、それを物ともしない、正確さよりもその場のノリを重視した迫力かつダイナミックなプレイである。これら本調子以上の4人が偶然同じ時にそのピークを迎え、ステージ上でがっちり融合し、これ以上ないというパフォーマンスをバンド一体で展開している。この日会場に臨場したファンは歴史の目撃者であろう。陳腐な言葉ではあるが、まさに圧巻、圧倒的、破壊的な、いかなる修飾語をもってしても表現しきれない、この時期、この時のツェッペリンだけが持つ世界というのがここにあるのである。



【音質について】
 このロサンゼルス連続公演初日『LISTEN TO THIS EDDIE』が名演かつ名盤として現代に語り継がれているのはその音質に依るところが大きい。テーパーはアメリカ西海岸を中心に暗躍したマイク・ミラード。ウィキペディアにも記載がある有名なテーパーである。ツェッペリンのみならず、ストーンズやフロイドなどでも高音質な録音を残している、我々の業界では伝説上の人物である。ミラードはナカミチの機材を使用して録音したと伝えられている。ナカミチは世界初のディスクリート3ヘッドカセットデッキを米国で発売するなど、当時世界を席巻していた名だたるメイド・イン・ジャパンの代表格であり、ミラードはその高価な最新機種を使用する録音マニアであった。車椅子に録音機材を仕込み、身障者を装って会場入りしていたというから、道義的にはともかく、ミラードのおかげで、こうして素晴らしい音質で聴くことが出来るのである。

 その音質たるや、21世紀の現在のデジタル録音の時代においてさえも不可能ではないかと思わせる超高音質なもので、このまま公式リリースしても耐えうるクオリティを誇っている。会場の空気をそのまま現代に伝えてくれる奥行きのあるレンジの広い音像、クリアに伸びる高音に響き渡る重低音、ミラードの録音は数多くあれど、この『LISTEN TO THIE EDDIE』は彼の中でも最高傑作のひとつであろう。実際にミラードが録音した『FOR BADGEHOLDERS ONLY』も高音質ではあるのだが、初日の本作と比べると一段落ちる感は否めない。ステージがバンド・メンバー4人の最高のパフォーマンスが融合した演奏であるならば、そこにテーパーとしてミラードも加わり、5人の邂逅によってこの名音源が生まれたと言うべきであろう。とにかく演奏が奇跡なら録音も奇跡的なものであり、それらが見事に合致し、結実したのが本作なのである。



【LISTEN TO THIE EDDIE】
 この日の演奏は3つの音源の存在が確認されている。本作のディスク1から3は前述のようにミラードが録音した最高のオーディエンス録音を(便宜上ソース1)をメインに、後述するソース3で補完するという編集がなされている。ほとんど瑕疵のない完璧なソース1であるが、「Ten Years Gone」の中盤におけるカットが唯一の曲中カットであった。この箇所はこれまで何故か二日目を収録した『Time Traveller』(TDOLZ)で初登場したソース2で補完することで完全収録というのが定番の編集であった。しかしこのソース2は音質があまりよくないというのが欠点であった。もとより内容的にほぼ完璧であったWendyの旧盤であったが、今回は、より音質の優れたソース3で補完することによって更にグレードアップを図ったものとなっている。



さらに特徴といえば、オープニング部分である。これまでWendyの旧盤を含む既発盤は録音スイッチを急に入れたような「たるみ」ないし「ゆるみ」が冒頭に生じていたが、本作ではそのような欠点はなく、最初からキレイに収録されているのが既発盤にない優れた部分であろう。そしてフェード・インではなく、素材となったテープを最大限に活かす意味でカット・インとなっているのもこれまでと大きな違いである。同様に「Stairway To Heaven」のイントロ部分にあった既発盤の音揺れも本作ではキレイに収録されている。また細かい点であるが「Since I've Been Loving You」演奏後と「Kashmir」の演奏後に、それぞれソース1ではカットがあり、そこをソース3で補完している。音楽部分ではないが、ボンゾがドラムスをタタンと叩く音がこれまでの既発盤では全て欠落していたので、これらの該当箇所に関しても丁寧に編集補完作業をしており、既発盤に比べ収録時間も長く過去最長収録となっている。



【LISTEN TO THIS ERIK】
そして本作のディスク4から6は近年になり録音者自らが40年ぶりに公開したソース3をメインに、ピッチ調整を加えた上で、ソース1で補完するという形で収録されている。この新たに発掘されたソース3の補完箇所としては、「No Quarter」の曲中約18秒間、「Heartbreaker」の曲中約1分50秒間と、ランニングタイム5分10秒以降「guitar solo」から「Achilles Last Stand」の冒頭57秒までの間。そして「Stairway To Heaven」の曲中約10秒間である。



ソース1があまりにハイ・クオリティなため霞んでしまうが、単体で1977年の録音と考えると充分に高音質なもの。これまでMCを覚えてしまうくらい聴き慣れたエディの日を別側面から捉えたものとして、新鮮な気持ちで聴くことが出来るであろう。タイトルとなった「ERIK」とは当時17歳だった録音者の友人の名前ということであり、彼は自分の名前が冠されたことを非常に光栄に思っているとのことである。



【そして再び新しいLISTEN TO THIS EDDIE definitive edition】
本作、Wendyレーベルの『LISTEN TO THIS EDDIE』は完売を重ね、これで何度目かの再発ということになる。数ある同名タイトルの中でもベスト・タイトルとして評価されている厳然とした事実が、このように完売を重ねる勝因であろう。今回の再発に当たっても、改めて最高の『LISTEN TO THIS EDDIE』をマニアの皆さんに聴いてもらいたいと思っている。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。



"LISTEN TO THIS EDDIE"
DISC ONE
01. Opening Applause

02. The Song Remains The Same
03. Sick Again
04. Nobody's Fault But Mine
05. Over The Hills And Far Away
06. Since I've Been Loving You
07. No Quarter



DISC TWO
01. Ten Years Gone
02. The Battle Of Evermore
03. Going To California
04. Black Country Woman
05. Bron-Y-Aur-Stomp
06. White Summer
07. Black Mountain Side
08. Kashmir



DISC THREE
01. Out On The Tiles - Moby Dick
02. Heartbreaker
03. Guitar Solo
04. Achilles Last Stand
05. Stairway To Heaven
06. Whole Lotta Love
07. Rock And Roll



"LISTEN TO THIS ERIK!"
DISC ONE
01. Opening Applause
02. The Song Remains The Same
03. Sick Again
04. Nobody's Fault But Mine
05. Over The Hills And Far Away
06. Since I've Been Loving You
07. No Quarter



DISC TWO
01. Ten Years Gone
02. The Battle Of Evermore
03. Going To California
04. Black Country Woman
05. Bron-Y-Aur-Stomp
06. White Summer
07. Black Mountain Side
08. Kashmir



DISC THREE
01. Out On The Tiles - Moby Dick
02. Heartbreaker
03. Guitar Solo
04. Achilles Last Stand
05. Stairway To Heaven
06. Whole Lotta Love
07. Rock And Roll