The Beatles-LIVE AT WASHINGTON 1964 【CD+DVD】

The Beatles-LIVE AT WASHINGTON 1964 【CD+DVD】

販売価格: 4,500(税込)

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商品詳細

アメリカはエンターテイメントの本場であり世界最大のマーケットである。デビューから1963年までの短期間でイギリス及び欧州各国での人気を確実なものとしたビートルズであったが、アメリカで成功するかどうかは未知数であった。なによりイギリスのバンドで過去にアメリカで成功した例はなかったのである。実際に初めてアメリカでリリースされたビートルズのアルバムはマイナーなレーベルからであり、それほど期待されていなかったことが伺える。実際にセールス的にもおよそ成功とは言い難いものであった。そのような状況下でありながらエプスタインはアメリカ遠征をブッキングする。欧州マーケット以上を求めるとしたらアメリカしかない。ビートルズの初渡米は1964年2月であるが、わずか2公演とテレビ出演のみというスケジュールからも、本格的なアメリカ市場への参入というより、とりあえずは顔見せ目的だと、慎重なエプスタインは考えたのではないか。

1964年は年初より長期のフランス連続公演が行なわれている。その途中で大きなニュースがビートルズの元にもたらされた。「抱きしめたい」が全米チャートで一位を獲得したのである。この報が、翌月に予定されていた初渡米が単なる顔見せではなく、全米で最も人気のある曲を演奏するグループとしての初渡米に変わった瞬間である。全米のファンはまだ見ぬビートルズを待ち焦がれていた。その予期せぬ巨大な台風の目の中に、いざ突入しようというのが1964年2月のビートルズ初渡米であった。

1964年2月7日、初めてビートルズがJFK空港に降り立った時、空港は大勢のファンが出迎えていた。あまりの人数の多さに大統領でも同乗していたのではと本人たちは勘違いしたらしい。自分たちの知らないところで人気が沸騰していたことに当人たちは当惑しつつ、空港に到着するやすぐさま記者会見が行なわれた。幾分ハイテンションなメンバーたちは、記者の質問に対しウィットに富んだ返答で場を和ませた。この応対は従来のグループには見られない新しい時代を予見させるものであった。

ビートルズの1964年2月の初渡米は、ファンの飢餓感をあおるためにエプスタインが意図して敢えて露出を控えたというのが定説になっているが、実際は冒頭で述べたように、最初のレコードは売れず、まずは顔見せという事だったのではないだろうか。コンサートは単発でわずか2回。カーネギー・ホールとワシントン・コロシアムのみである。カーネギーホールのコンサートはライブ・レコーディングが予定されていたが中止。現在では音源はおろかセットリストすら判明していない。しかし幸いかな次のワシントン・コロシアムでのコンサートはフルで撮影された映像が残されている。本作は、そのワシントン・コロシアムでのコンサートを音と映像で完全収録したものである。

この完全収録というのは近年になってようやく実現したもので、前回Mクローデルのセットがリリースされた時点では、それまでの既発盤がそうであったように「Twist And Shout」が未収録ないし不完全なものしか存在しなかった。Mクローデルのセットも例外ではなく、それでも残された「Twist And Shout」の断片から可能な限り復元した当時としては画期的なものであった。本作はその後に発掘されたマテリアルを新たに加え、音も映像も「Twist And Shout」を含め完全収録した新たなスタンダードとなるであろう作品である。

【CD】
ワシントンの音源自体は古くからコレクターズ・アイテムとして入手可能であり、完全収録版の発掘を受けて近年もいくつかタイトルはリリースされてきた。しかしそれらはいずれも低音が弱くベースがほとんど聴こえないものであった。本作に収録のワシントンの音源は、いくぶん音が荒いながらも、ビートルズ最大の特徴であるポールの唸るベース・ラインがはっきりと聴き取れる優れたバランスとなっている。これはリマスターの効果もさることながら、元素材のジェネレーションに由来するもので、当日の熱狂を余すところなく伝えてくれる。もちろん「Twist And Shout」「Long Tall Sally」を含む完全収録である。

CDの後半は昔懐かしい、慣れ親しんだフィルム・ソースの音源を収録している。こちらはご存知の通り「Twist And Shout」の途中までの収録で、「Long Tall Sally」は未収録である。内容的には今となっては蛇足的な収録かもしれないが、このしっとりと落ち着いたフィルムの音質も捨てがたく、本作に併録している。

後述の映像を見てもらえればわかるが、客席でマイクを手にして録音を試みている男性が映っている。それがどのようなクオリティなのか今となっては知る由もないが、1964年当時でもコンサートを録音して記録に残そうという意識があったというのが興味深い。本作には「Roll Over Beethoven」「I Wanna Be Your Man」「She Loves You」の3曲のみだが、当日のオーディエンス録音が収録されている。これがなかなかキレイに録音されており、この音質でカーネギー・ホールなどが録音されていれば良いのになと思わせるクオリティである。そしてCDの最後には、JFK空港到着直後の記者会見を収録している。

【DVD】
本作のDVDには2種類のワシントン・コンサート完全収録映像が収録されている。まず最初が「COLORIZED VERSION」である。これまでアラウンドやドイツ、メルボルンなど、様々な映像のカラー化を試みてきたが、これもまた元がモノクロ映像のものをカラー化したものである。残念ながら暗い屋内会場でスポットライトが当てられたコンサートなので、これまでの同レーベルの他のカラー化映像に比べて色の乗りはいまひとつである。アップの部分はそれなりだが、ステージ全体を映す遠景ショットでは単調な色彩となっている。何はともあれ発展途上ながら新しい試みとして見ていただきたい。

続いてオリジナルのモノクロ映像で完全収録である。mp4由来のものではなく、クローズドサーキット版DCP(Digital Cinema Package)からの収録で、これまでの最高画質と音質となっている。濃淡のバランスがとれた素晴らしくクリアな映像で、モノクロならではの良さが存分に発揮されている。古くから曲が欠落したものやフィルム傷が目立つものが主流だったワシントン公演であったが、近年になり完全収録が登場し、さらに本作でその完全収録版にして画質音質ともにベストというべき決定版が出たことになる。長らくファンが待ち望んでいたミッシング・ピースであろう。

DVDの最後は、ワシントン公演に関連する映像、フィルム・アーカイヴを収録している。驚くのは1964年にして当日のオーディエンス撮影による映像があるという点である。コロシアムの客席からステージのビートルズを捉えたもので、ズームを使って各メンバーをアップに追った映像やドラムを叩くリンゴの後ろからのショットなど、本編に挿入したいくらい優れたショットである。エプスタインの姿をあえて映すなど、オーディエンス撮影ながら、これは一般のファンが撮影したものではなく、ニュース映像か何かのために記者が撮影したものではないかと思う。

当日の様子を伝えるニュース映像は、ワシントンの会場であるコロシアムに雪の降る中で続々と会場入りするファンの姿。遅れてビートルズが列車で到着し、下車すると早速インタビューを受ける様子などが収録されている。もうひとつ別のニュース映像では開演前の会場内の様子が収録されている。パンフレットを見ながら開演を心待ちにするファン。司会者が繋ぎ弁士をしている間にステージ・セッティングをするビートルズ。何より注目は本編とは完全に別カメラ、別アングルによるビートルズのステージ映像である。かなり近距離で撮影されており、見慣れたワシントン公演を別角度から新鮮に見ることができる。当日は8台のカメラで撮影されたと記録にあるが、いくつかバリエーションが確認されているものの、その詳細は以前判明していない。本作のMULTI ANGLEには、曲に合わせてそれらショット違いを平行してみることが出来るようにし、どのようなアングル違い、編集違いがあるかわかるようにしてある。

ワシントン・コロシアムのステージ上で行なわれたインタビュー映像もまた短いながら珍しいものである。JFK空港での記者会見は有名であるが、会場となったステージ上での映像はあまり見ることがなかったのではないだろうか。続いて映画のトレイラーが収録されている。ご存知の通り当日の様子は撮影され、映画館で上映されている。そのトレイラー、予告編である。ビートルズの予告編というだけでなく、1964年当時の映画館の予告編がこのように残されているだけでも貴重ではないか。その他16mmロウ・フィルムなど関連映像を収録している。

ビートルズ初渡米となった1964年記念すべきワシントン・コロシアム公演。これまで幾度となくリリースされてきた同公演を、内容と画質と音質の全てでこれぞ決定版ともいうべき作品に仕上がっている。存在が知られつつ陽の目を見なかった最後のピースのひとつ、ビートルズ・コレクターが待ち望んでいた高画質かつ高音質の完全収録が本作である。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。

AUDIO DISC
COMPLETE REMASTER AUDIO
01. introduction & tuning
02. Roll Over Beethoven
03. From Me To You
04. I Saw Her Standing There
05. This Boy
06. All My Loving
07. I Wanna Be Your Man
08. Please Please Me
09. Till There Was You
10. She Loves You
11. I Want To Hold Your Hand
12. Twist And Shout
13. Long Tall Sally
14. outroduction

FILM SOURCE AUDIO
15. introduction & tuning
16. Roll Over Beethoven
17. From Me To You
18. I Saw Her Standing There
19. This Boy
20. All My Loving
21. I Wanna Be Your Man
22. Please Please Me
23. Till There Was You
24. She Loves You
25. I Want To Hold Your Hand
26. Twist And Shout

MAYSLES AUDIENCE SOURCE
27. Roll Over Beethoven
28. I Wanna Be Your Man
29. She Loves You #1
30. She Loves You #2

PRESS CONFERENCE
31. JFK Airport Feburuary 7

DVD DISC
COLORIZED VERSION
01. introduction & tuning
02. Roll Over Beethoven
03. From Me To You
04. I Saw Her Standing There
05. This Boy
06. All My Loving
07. I Wanna Be Your Man
08. Please Please Me
09. Till There Was You
10. She Loves You
11. I Want To Hold Your Hand
12. Twist And Shout
13. Long Tall Sally
14. Outroduction

ORIGINAL B&W VERSION
01. introduction & tuning
02. Roll Over Beethoven
03. From Me To You
04. I Saw Her Standing There
05. This Boy
06. All My Loving
07. I Wanna Be Your Man
08. Please Please Me
09. Till There Was You
10. She Loves You
11. I Want To Hold Your Hand
12. Twist And Shout
13. Long Tall Sally
14. Outroduction

FILM ARCHIVES
01. Video Source
02. Audience Shot
03. News Film #1
04. News Film #2
05. Color 8mm
06. Multi Aungled
07. Press Conference On Stage
08. Cinema Trailer
09. Auction Sampler
10. 16mm Film Raw
11. 16mm Alternate Reel (unspliced)