LED ZEPPELIN-LIVE AT GONZAGA UNIVERSITY 1968 【1CD】 [WECD-306]

LED ZEPPELIN-LIVE AT GONZAGA UNIVERSITY 1968 【1CD】 [WECD-306]

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商品詳細

ツェッペリンのライブ音源は数多くあるが、本作は残存が確認されている中で最古の音源にして唯一の1968年のステージであるゴンザガ大学でのコンサートを収録している。ツェッペリンの母体となったのはペイジが在籍していたヤードバーズである。スタジオ・ミュージシャンとしてかなり早い時期から経験を積んでいたペイジは、 各パートのプロフェッショナルを集わせ新たなバンドの結成を目論んでいた。ペイジが主体となり1968年の多くの時間をメンバー探しに費やす事になる。1968年初頭には既にジョンポールジョーンズと共演しており、ベース及びキーボードとしての力量を知っていた事から加入。プラントはテリーリードの紹介、 そしてボンゾはプラントの紹介という形でペイジと知り合う事になる。初めて顔を揃えた4人は、最初のセッションの時点で既に成功の萌芽を感じたという。特にボンゾのインパクトは強く、ハード・ロック路線とフォーク・ロック路線のいずれかの選択を迷っていたペイジは、セッションを通じてハード路線で行くことを決意するに至る。

旧メンバーによるヤードバーズとしてのステージは1968年7月が最後であったが、まだ契約が残っていたため、後のツェッペリンはNEW YARDBIRDSという名称でスカンジナビア・ツアーを行なっている。この時点で既にファーストに収録の曲を演奏している事に注目である。また1968年11月のイギリス公演ではNEW YARDBIRDS featuring LED ZEPPELINという表記で出演を果たしている。1968年というのは、このようにヤードバーズを母体としてペイジが主体となり新メンバーを集め、それが後のレッド・ツェッペリンに名を変える過渡期に相当する。

ツェッペリンのファースト・アルバムは1968年10月にレコーディングが行なわれた。既にライヴで演奏しているステージの熱気をそのままにスタジオで再現した、デビュー・アルバムにして非常に完成度の高いものであった。このファースト・アルバムは1969年1月12日にリリースされたが、発売前に全米で5万枚の予約が殺到したと伝えられている。この事実が更にプロモーションとなり、ツェッペリンの名を一夜にして押し上げたのであった。この予約殺到の背景には、前年末に行なわれたツアーの影響がある事は間違いない。バニラ・ファッジに同行した前座扱いのツアーでありながら、メンバー全員が全力で立ち向かうステージは評判を呼び、それがアルバムの圧倒的な予約状況に繋がったのであろう。本作は、まさに予約殺到に繋がる前評判を呼んだ1968年12月のツアーから、12月30日ゴンザガ大学におけるステージを収録している。

ツェッペリン最古の音源として知られるこのゴンザガ大学のライヴ音源であるが、音質は1968年とは思えない程に良好なもので、よくぞ残してくれたと感謝したいくらいの高音質である。唯一残されている1968年の音源という感傷を抜きにしても、この素晴らしい演奏と音質は、ツェッペリン黎明期の貴重な音源として是非コレクションに加えておくべき光り輝く価値を持っている。

【THE TRAIN KEPT A ROLLIN’】
ヤードバーズの印象が強い「レモンティー」の元ネタ「ブギウギ列車夜行便」である。1980年ツアーでは初心に還る意味合いからオープニング・ナンバーに選ばれたが、まさに本作のこの録音こそがその「初心」の時代である。ベニヤ板を叩きつけるような音を放つドラムに合わせベースがうなり、ハードなギターが絡んでいく疾走感あふるる展開は圧巻である。しかも若きプラントの若さ故の荒々しい絶叫は、この時代特有の最強の組み合わせと言えるだろう。

【I CAN’T QUIT YOU】
間髪入れずにメドレー的に演奏される「君から離れられない」である。前の曲の疾走する演奏から一転クール・ダウンし、バンドの重要なバックボーンたるブルーズ・ロックへのオマージュが具現化した楽曲である。この曲は第4番目の楽器としてのプラントのヴォーカルが最も栄える曲であり、ここでも重要な役割を果たしている。PA付近で録音されたのが全体的にギターを中心とした楽器の音が前面に出ている録音であるが、後進に影響を与えたプラントの絶叫スタイル、絶叫の中にも加橋かつみのように自然な発声におけるビブラートがかかったプラントのヴォーカルが実に素晴らしい。強弱濃淡をつけながら、時として低い声を駆使し、深遠な曲世界を見事に表現している。まさにこの時のプラントはドラマティック・ヴォーカルであるといえる。

【AS LONG AS I HAVE YOU】
正式にレコーディングされていないながら、初期においてはステージのハイライトであり、後に長大な曲に発展する楽曲である。有名な1969年フィルモアなどと異なり、1968年ならではのアレンジが聴きどころであると言える。その違いはイントロを聴いただけでもすぐにわかる。冒頭にギターとドラムの殴り合いのようなイントロが付与され、翌年には消えてしまうギター・フレーズが散りばめられている。

【DAZED ZND CONFUSED】
ファースト・アルバムに収録されているのみならず、全時代を通して常にツェッペリンのステージで重要な位置をしめていた「幻惑されて」である。ツェッペリンの数ある楽曲の中で最も長い期間演奏されてきた曲であろう。後年の演奏より手数が多いボンゾのドラミングに加え、イントロからエンディングまで一瞬の緩みない緊張感あふるる素晴らしい名演となっている。映像なりで確認できないのが残念だが、間奏でバイオリン・ボウを使用している音も確認することができる。バイオリンと異なり弦が平坦に並んでいるギターでバイオリン・ボウを使用する意味合いは薄いが、視覚的な効果とピックでは出せない即興的な音をペイジは求めていたのだろう。

【WHITE SUMMER】
この曲は残念ながらカット・インで始まり冒頭の部分が元音源では未収録となっている。ペイジの滑らかな運指を堪能出来るインスト・ナンバーである。ペイジはことのほかこの曲を気に入っていたのであろう、この曲も長らくステージで披露されており、後に「KASHIMIR」といった重い楽曲のまるで長いイントロのような役割を果たすことになる。ツェッペリンのメンバー選考においては各楽器のスペシャリストであるという点が考慮され、即興性を重視したステージを目したと伝えられるが、ギタリストとしてのスポット・ライトがこの「WHITE SUMMER」でペイジに当てられる。

【HOW MANY MORE TIMES】
約15分に渡る長大な「HOW MANY MORE TIMES」である。忍び寄るようなイントロに合わせてプラントによるメンバー紹介がなされる。まだ知られていないバンドであったことを証明するかの如く、メンバー紹介によるアプラウスは控えめで、比較的名の知れていたペイジの時に少し大きくなる程度であるのも時代を感じさせる。曲構成が1969年のものとは若干異なり、楽器を抑えてプラントの独唱的な箇所が挿入されている。これは各メンバーにはソロの見せ場があるため、プラントにもそういう場を設けようとしての配慮ではないだろうか。また後年には「DAZED AND CONFUSED」に挿入されたようなギター・パフォーマンス、そして「WHOLE LOTTA LOVE」に挿入されたようなメドレーが、この時はこの曲に全て凝縮されている。

【PAT’S DELIGHT】
ボンゾのドラムソロの独壇場である。後年「MOBY DICK」に代わるまでボンゾの見せ場としてステージを彩ってきた。とはいっても元々ボーカルがないため「MOBY DICK」と異なるのはイントロのギター・フレーズだけであり、基本形は「MOBY DICK」と同じドラムソロである。残念ながらこの曲はフェイド・アウトで終わる。

【LIVE AT GONZAGA UNIVERSITY】
本作はツェッペリンとして唯一現存が確認されている1968年最古の音源である12月30日ゴンザガ大学でのステージを高音質で収録している。既発盤では元音源に由来する録音レベルの昇降が随所に散見され、特に「AS LONG AS I HAVE YOU」に至ってはガタガタの状態のまま収録されているタイトルが多い。本作はそれらを全体通して細かくフラットに本来の当日の出音であったように調整が施されているため、実に違和感なく自然に聴くことが出来る。ジャケットにはバンド名が「Len Zefflin」と表記されているが、これは誤植ではなく、無名のあまりコンサート告知にこのように誤記されていた事実を踏襲してのものである。裏ジャケットには当日の貴重なカラー写真が4葉掲載されている。これを見ると時代がかったサイケデリック・ピンクのパンツのジミーがステージ狭しと跳ねているのがわかる。歴史的にも重要なコンサートであり、記録としても一級品であるゴンザガ大学の音源。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。

Gonzaga University, Kennedy Pavilion Spokane, Washington U.S.A.
December 30, 1968
01. Train Kept a Rollin
02. I Can't Quit You
03. As Long As I Have You
04. Dazed and Confused
05. White Summer
06. How Many More Times
07. Pat's Delight