Paul McCartney-FLOWERS IN THE DIRT SESSIONS 【6CD】 [mccd-654-659]

Paul McCartney-FLOWERS IN THE DIRT SESSIONS 【6CD】 [mccd-654-659]

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商品詳細

1980年代の幕開けは日本におけるポールの逮捕で始まった。これをきっかけとしてウイングスは自然消滅、そして年末にジョンが凶弾に倒れるに至って、ポールは表舞台から久しく姿を消すことになる。80年代のポールは単発ステージに数えるほどしか出演するのみで、一切のツアーを行なっていない。しかし、ライヴ活動で駆け抜けた1970年代の反動として、旅生活から解放されたポールは、かつてビートルズがそうであったように、スタジオ・ワークに専念することになる。原点に返る意味合いもあり、再びジョージ・マーティンにプロヂュースを依頼、その結果生まれた2枚の兄弟アルバム『TUG OF WAR』と『PIPES OF PEACE』は現在でもポールの名盤として挙げられている。この2枚のアルバムの特徴は、それぞれビッグ・ネームとのコラボレーションを試みている点である。

『TUG OF WAR』ではスティーヴィー・ワンダーと2曲共演し、その中から「EBONY AND IVORY」がシングル・カットされている。続く『PIPES OF PEACE』では『THRILLER』が世界的なヒットとなっていた時期のマイケル・ジャクソンと2曲共演である。「SAY SAY SAY」があの印象的なプロモ映像と共にヒットしている。ビートルズ時代はジョン・レノンという対等なパートナーがいた。70年代は孤軍奮闘で始めたウイングスであったが、デニー・レインを徐々に認め「夢の旅人」などでは共同クレジットとなっている。そして80年代に入って、新たな刺激を他者に求めたのであろう。その結果は大成功であったといえる。

ところが1984年に発表された『GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET』は、一転駄作のレッテルを貼られている。個人的には大好きなアルバムなのだが、映画のサントラという性格上、過去のセルフカバーがほとんどを占め、新曲は数曲にとどまっていたことも評価が低い遠因となっている。当時「FM fan」という雑誌があり、この映画の特集があった。その中で名前は失念したが、日本のミュージシャンが、「サージェント・ペパーズを作った同じ人が、なぜあのようなくだらない映画を作るのだろう」と発言している。確かに映画は夢オチという「ハイスクール奇面組かよ!」とハリセンで叩きたくなる他愛ないものだったが、こと新曲に関しては非常に優れた楽曲が揃っていた。もう少し評価されてもよいのではと思っている。

続いて発表されたのが1986年『PRESS TO PLAY』である。名曲揃いにも拘わらず、これも世間的には評価が低いアルバムで、セールス的にも失敗に終わっている。ただ注目すべきは、このアルバムでもパートナーを求めて共作させている点である。前2作の共作者とはかなり格落ちだが、エリック・スチュワートである。何も彼が悪いとは言わないが、やはりポールのパートナーとしては力量不足だったかもしれない。しかし「FOOTPRINTS」といい「ONLY LOVE REMAINS」といい、「STRANGLEHOLD」といい、これもまた、もう少し評価されてもよいのではと思っている。

80年代のポールの動きを見ていると、常に自分と対等になって刺激を与えてくれるパートナーを求めているような感じであった。実績あるポールのことだから、ピンで自信を持ってやってもらいたいというが、そこは本人が自覚的に不足している部分を補おうという表れであろう。『PRESS TO PLAY』の不評からしばらく、ポールは沈黙期間に入る。そんな中リリースされたのがベスト盤『ALL THE BEST』である。ジャケット写真では、短く借り上げた髪、いくぶん皺が目立つ45歳のポールがにっこり笑っている。『ALL THE BEST』のジャケット写真は、年月の流れと共に、もうビートルズやウイングスの時代には戻れない、青年期を過ぎた成熟した、否定的な意味ではなく、中年期以降という新しい時代に入ったポールを感じずにはいられなかった。『ALL THE BEST』には新曲として「ONECE UPON A LONG AGO」が収録されている。これが唯一の新曲である。そしてこの曲のプロモ・ビデオでは、リンダはもちろんのこと、ドラムスにはクリス・ウィッテンの姿を見る事ができる。沈黙期間にあったこの時期に、後のワールド・ツアーのメンバーが既に参加している点、プリンス・トラストで啓発されたライヴ活動への布石が徐々に打たれていたという意図が垣間見れる。

1989年に発表されたアルバム『FLOWERS IN THE DIRT』は、古くからのファンにとっては意識の中では最近のアルバムに分類されるであろうが、既にビートルズの歴史の一部となっている。2017年現在リリースから30年弱が経過しようとしている。おそらくこの時期からポールは再び10年ぶりのツアーを念頭に置いていたに違いない。そのためのバンド、そのためのアルバムが必要であった。それもただのアルバムではなく、ツアーを成功に導くヒット作を必要としていたはずである。『PRESS TO PLAY』ではツアーに出ることは困難だったのである。そこで従来の例に漏れず、自分と対等もしくは、意見をしてくれるパートナーを求めた。そこで白羽の矢が立ったのがエルヴィス・コステロであった。コステロはかつてビートルズ・ファン・クラブに入っていたくらいのポール・ファンであり、ポールに対し敬意もある。しかし一方では、少し毒舌過ぎるくらいポールに意見できるカルトな人気と実績と性格をも持ち合わせていた。方向性を見失いつつあった80年代のポールが再出発するパートナーとしては申し分ない相手であった。

ポールとコステロの共同作業の結果、数多くの楽曲が生まれている。それらは『FLOWERS IN THE DIRT』と、コステロの当時の最新アルバム『SPIKE』に分散され収録された。なので曲によっては同じ曲でもポール・バージョンとコステロ・バージョンがあったりする。また収録しきれなかった曲のいくつかは『OFF THE GROUND』に流用されている。また従来のコラボ企画同様、「YOU WANT HER TOO」ではお互いがヴォーカルをとるデュエットとなっている。セールス的には大ヒットとまではいかなかったものの、このアルバムに伴うポールにとって10年ぶりのツアーが行なわれたこともあり、ファンにとっては印象強いアルバムとなっている。本作は、この『FLOWERS IN THE DIRT』のセッション音源をディスク6枚に渡って収録した、魂のこもったタイトルである。アルバム収録曲のみならず、同時期にレコーディングされた未発表曲やシングルのみの曲など、初登場音源を含む集大成となっている。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。スリップケース付。

DISC ONE
MY BRAVE FACE
01. Home Demo October 1987

Session with Elvis Costello February 1988
02. First Version Rehearsal #1
03. First Version Rehearsal #2
04. Second Version False Start
05. Second Version Alternate Take #1
06. Second Version Alternate Take #2
07. Third Version Vocals Recording
08. Final Studio Demo

Solo Session October 1988
09. Basic Track
10. Video Soundtrack Version 1
11. Video Soundtrack Version 2

ROUGH RIDE
12. Rough Mix
13. Alternate Mix

YOU WANT HER TOO
14. Home Demo 1987
15. Alternate Take 1988

DISTRACTIONS
16. Home Demo
17. Alternate Mix

WE GOT MARRIED
18. Rough Mix 1984
19. Promo Edit

PUT IT THERE
20. Basic Track
21. Second Guitar & Violins/Percussion
22. Overdub Session #1
23. Overdub Session #2
24. Monitor Mix

DON’T BE CARELESS LOVE
25. Home Demo 1987
26. Early Studio Take 1988
27. Monitor Mix

HOW MANY PEOPLE
28. Rehearsal
29. Alternate Take

DISC TWO
FIGURE OF EIGHT
First Version
01. Rough Mix

Second Version
02. Basic Track
03. Guitar & Backing Vocals
04. 7” Version
05. 12” Bob Clearmountain Remaster Mix

THIS ONE
06. Demo unedited
07. Demo edited
08. Rehearsal Session
09. Early Take
10. Basic Track
11. First Vocal Insert + Guitar
12. Second Vocal Insert
13. Channel Mix
14. Club Lovejoys Remaster Mix

THAT DAY IS DONE
15. Home Demo 1987
16. Early Studio Take 1988

MOTOR OF LOVE
17. Home Demo
18. Rough Version Monitor Mix

OU EST LE SOLEIL
19. Home Demo 1975
20. 12” Version Remaster
21. Tub Dub Mix Remaster
22. Instrumental Remaster Mix

DISC THREE
OU EST LE SOLEIL
01. 7” Mix Remaster
02. 7” Mix Edit
03. Shep Pettibone Edit
04. Disconet Edit By Dennis Muyet

FLOWERS IN THE DIRT B-SIDES & OTHER RARITIES
1986 SESSIONS & OUTTAKES
LOVELIEST THING
05. Rough Mix
06. Remaster Version

SQUID
07. Rough Mix
08. Finished Mix
09. Remix

1987 SESSIONS & OUTTAKES
BACK ON MY FEET
10. Home Demo
11. Remaster Version

P.S. LOVE ME DO
12. Demo Take
13. Rough Mix complete
14. Final Version

LOVE COME TUMBLING DOWN
15. Rough Version
16. Different Mix
17. Final Mix

DISC FOUR
ATLANTIC OCEAN
01. Rough Mix
02. New Vocal Edit
03. Final Mix

LOVE MIX
04. Home Demo
05. Rough Mix 1
06. Rough Mix 2
07. Final Mix

RETURN TO PEPPERLAND
08. Rough Mix
09. Unreleased Final Mix

SGT PEPPER BIRTHDAY SONG
10. Jam to Alan Freeman

BIG DAY
11. Rough Mix
12. Unreleased Final Mix

CHRISTIAN BOP
13. Rough Version
14. Final Mix Edited
15. Classical Version

PEACOCKS
16. Rough Mix
17. Unreleased Final Mix

1988 SESSIONS & OUTTAKES
NEW MOON OVER JAMAICA
18. Demo Takes 1 & 2
19. Final Version with Johnny Cash

FLYING TO MY HOME
20. Rough Version
21. Remaster Mix

DISC FIVE
THE FIRST STONE
01. Remaster Mix

GOOD SIGN
02. Remaster Mix
03. Edited Intro 12” Single
04. Promo Version Groove Mix

THE WHITE COATED MAN
05. Rough Mix
06. Animal Magnetism Mix

COW
07. Rough Mix
08. Oobu Joobu Unreleased Mix

SAME LOVE
09. Final Mix

DON’T BREAK THE PROMISES
10. Studio Demo
11. Demo with Overdubs

1989 SESSION
PARTY PARTY
12. Studio Jam
13. Original Mix Remaster
14. Bruce Forest Club Mix Remaster
15. Promotional Edit

PAUL & ELVIS COSTELLO RARITIES
VERONICA
16. Demo
17. Final Version

PADS, PAWS AND CLAWS
18. Demo
19. Final Version

THIS TOWN
20. Demo
21. Final Version

DISC SIX
TWENTY FIVE FINGERS
01. Home Demo 1987

Session with Elvis Costello January 1988
02. Rehearsal #1
03. Rehearsal #2
04. Rehearsal #3
05. Final Studio Demo

TOMMY'S COMING HOME
06. Home Demo 1987

Session with Elvis Costello February 1988
07. Paul and Elvis improvising
08. Vocals Recording #1
09. Vocals Recording #2
10. Vocals Recording #3
11. Vocals Recording #4
12. Final Studio Demo

THE LOVERS THAT NEVER WERE
13. Home Demo 1987
14. Home Demo 1987 with Overdubs 1991
15. Studio Demo 1988

SO LIKE CANDY
16. Home Demo 1987
17. Studio Demo 1988
18. Final Version

PLAYBOY TO A MAN
19. Home Demo 1987
20. Studio Demo 1988
21. Final Version

I DON’T WANT TO CONFESS
22. Home Demo

SHALLOW GRAVE
23. Home Demo
24. Final Version

MISTRESS AND MAID
25. Home Demo #1
26. Home Demo #2

EXTRAS
27. Improvisation on the set for “This One”
28. Album Commercial #1
29. Album Commercial #2
30. Album Commercial #3

Up Close Radio Show
31. Intro
32. Elvis Costello & Paul